遠隔臨場とは?ウェアラブルカメラ(スマートグラス)の活用方法・メリットから課題まで解説

2022/02/09
遠隔臨場とは?ウェアラブルカメラ(スマートグラス)の活用方法・メリットから課題まで解説

遠隔臨場とは、どのような仕組みなのでしょうか。国土交通省では、ICTの活用により建設生産システム全体の生産性向上を目的とする「i-Construction(アイ・コンストラクション)」の取り組みを進めています。その取り組みのひとつとして、2020年3月より「遠隔臨場」の試行が始まりました。ここでは、遠隔臨場がどのようなものなのか、その活用メリットや課題などについてご紹介します。

遠隔臨場とは?導入が進む遠隔臨場、その活用方法・メリットなど

遠隔臨場とは、ウェアラブルカメラ(スマートグラス)と Web会議システム等による映像と音声の双方向通信を利用し、これまで現場臨場で行っていた「段階確認」「材料確認」「立会」を遠隔地にいながら実施するものです。

遠隔臨場の仕組みについて

遠隔臨場で使用するウェアラブルカメラ(スマートグラス)とは、通常のカメラとは異なり、ヘルメットや頭部・身体に装着することができる小型のカメラのことを指します。メガネ型やヘッドマウント型など様々な種類があり、いずれもハンズフリーで使用できるため、現場作業を妨げることなく安全に使用することができます。

国土交通省 建設現場の遠隔臨場に関する試行要領

国道交通省より、「建設現場の遠隔臨場に関する試行要項(案)」が発表され、近年この遠隔臨場の取り組みが進んでいます。「建設現場の遠隔臨場に関する試行要項(案)」では、受注者における「段階確認に伴う手待ち時間の削減や確認書類の簡素化」や発注者(監督員)における「現場臨場の削減 による効率的な時間の活用」等を目指し、遠隔臨場を適用するにあたり、その適用範囲や具体的な実施方法と留意点等が示されています。

※参考:建設現場の遠隔臨場に関する試行要領(案) 国土交通省 大臣官房技術調査課

適用の範囲

試行要項では、遠隔臨場は所定の性能を有する機器を用いて、「土木工事共通仕様書(案)」に定める「段階確認」、「材料確認」と「立会」を実施する場合に適用するとされています。

※参考:土木工事共通仕様書(案) 国土交通省

遠隔臨場の実施

受注者は事前に監督職員等と動画撮影用のカメラ(ウェアラブルカメラ等)や Web 会議システム等の状況について確認を行うとともに、必要な準備、人員及び資機材等を提供します。また、現場(臨場)における確認箇所の位置関係を把握するため、受注者は実施前に現場(臨場)周 辺の状況を伝え、監督職員等は周辺の状況を把握したことを受注者に伝える必要があります。

実施において、受注者は、「工事名」、「工種」、「確認内容」、「設計値」、「測定値」や「使用材料」等の必要な情報について適宜黒板等を用いて表示します。記録にあたり、必要な情報を冒頭で読み上げ、監督職 員等による実施項目の確認を得るとともに、終了時には、確認箇所の内容を読み上げ、監督職 員等による実施結果の確認を得ることとされています。

※建設現場の遠隔臨場に関する試行要領(案) 国土交通省 大臣官房技術調査課

遠隔臨場で使用するツール

国土交通省の建設現場の遠隔臨場に関する試行要領(案)では、遠隔臨場に使用するウェアラブルカメラ等の動画撮影用のカメラといった資機材は、受注者が準備・運用するものとされています。使用するツールについて具体的にご紹介します。

ウェアラブルカメラ・スマートグラス

ウェアラブルカメラとは、身に付けて撮影できる小型カメラのことを指します。頭部やヘルメット、作業服の胸ポケット等に装着することで、ハンズフリーで撮影ができ、両手を開けた状態で作業をすることができます。

スマートグラスも基本的にはウェアラブルカメラと同様ですが、メガネ型でメガネと同様に目の周辺に装着して使用できる点が特長です。ウェアラブルカメラと同様にハンズフリーで使用できるので、視野を確保しながら両手を開けた状態で作業ができることに大きなメリットがあります。

「建設現場の遠隔臨場に関する試行要領(案)」では、遠隔臨場で使用するウェアラブルカメラ等の仕様は以下の通り示されています。

項目 仕様 備考
映像 画素数:1920×1080 以上 カラー
フレームレート:30fps 以上  
音声 マイク:モノラル(1 チャンネル)以上  
スピーカ:モノラル(1 チャンネル)以上  

出典:建設現場の遠隔臨場に関する試行要領(案)国土交通省 大臣官房技術調査課

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Web会議システム

遠隔臨場では、映像と音声をやり取りするツールとしてWeb会議システムを使用することが一般的です。Web会議システムは、インターネット回線を用いてリアルタイムに映像と音声のやり取りができる仕組みです。

「建設現場の遠隔臨場に関する試行要領(案)」では、遠隔臨場で使用するWeb会議システム等に関する仕様は以下の通り示されています。(なお、Web会議システム等は通信回線速度により自動的に画質等を調整するため、通信回線速度を優先し、転送レート(VBR)は参考値)

項目 仕様 備考
映像・音声 転送レート(VBR):平均 9 Mbps 以上  

出典:建設現場の遠隔臨場に関する試行要領(案) 国土交通省 大臣官房技術調査課

遠隔臨場の事例

実際に遠隔臨場を実施した具体的な事例をご紹介します。

北海道開発局 函館新外環状道路 函館市 滝沢中央改良工事

北海道開発局における函館市滝沢中央改良工事では、産業用スマートグラスのHMT-1やiPadを活用し、土工の出来型確認(路床検査)・鉄筋の出来型確認(鉄筋検査)を遠隔臨場にて実施しました。路床検査の際、監督員がデバイスで視認しやすい様、高所に立つこと、鉄筋検査では予めロッドや鉄筋マーク設置 しておき、使用するものはデバイスで視認しやすい様蛍光色の物を使用する等の工夫をしています。

<現場の声:施工者(受注者)>
■効果
  • 監督職員を待つ時間(拘束時間)がなくなり、現場工程がスムーズに進んだ。
  • 監督職員の検査スケジュール調整に要する時間が減った。
  • 検査確認行為そのものが簡素化された。
■課題
  • 当現場で、課題はまったく感じられなかった。よって、今後全ての現場で採用して欲しい。
<現場の声:監督員(発注者)>
■効果
  • 現場までの移動時間が必要なく、有効に活用できた。
  • 出張時にもタブレットを持参することにより、施工者を待たせることなく出来型確認をすることができた。
■課題
  • 当該現場は、通信環境が良好な場所であったが、少し山の中の現場では、タイムラグが発生し、検査に支障をきたす現場もあった。

出典:建設現場における遠隔臨場 事例集 国土交通省

遠隔臨場の活用方法・導入メリット

建設業界で導入が進んでいる遠隔臨場には多くのメリットがあります。主なメリットについてご紹介します。

移動時間・待機時間の削減

担当者が直接現場へ行って確認や立会を行う場合、移動時間が大きな負担になります。また、担当者の移動時間だけでなく、現場では担当者が到着するまで次の作業が進められないといった待機時間も発生します。遠隔臨場では発注者が直接現場へ出向いて立ち会う必要がなくなるため、移動時間・待機時間を大幅に削減できる点が大きなメリットです。

人手不足の解消

ITツールに不慣れな作業員への対応

人手不足が深刻化する建設業界において、遠隔臨場は人手不足解消にも役立ちます。遠隔臨場で移動時間や待機時間の削減が削減できることで、それらの時間を別の業務に充てられるようになります。現場管理や業務効率化により、限られた人数でも円滑に業務を行えるようになります。

人材の育成

遠隔臨場は人材育成という点でもメリットがあります。遠隔臨場の場合、現地での臨場のように移動時間やコストの制約がないため、コミュニケーションの機会を増やすことができます。現場にいない熟練者から指導やアドバイスを受けることもでき、若手作業員の人材育成や教育の機会としても効果的です。

安全性の向上

現地での臨場の場合、現地で対応できる日程や時間が限られているため、限られた時間内で多くの安全確認を行う必要があります。それに対し遠隔臨場では移動時間がなくなるため、臨場の機会を増やしたり、確認時間を十分に取ったりすることができます。人為的なミスや確認漏れなどの防止に繋がり、安全性の向上にも寄与します。また、担当者の移動が不要になることで、交通事故などのリスク回避にも繋がります。

コスト削減

現場に出向く必要がなくなれば、その分の交通費やガソリン代などを大幅に削減することができます。また、現場への移動などに時間が取られ、結果的にそれが残業などの長時間労働に繋がっている場合、遠隔臨場の導入により残業費などの経費削減も可能です。

遠隔臨場の課題

メリットの多い遠隔臨場ですが、導入・実施にあたっての課題もいくつかあります。具体的にどのような課題があるのでしょうか。

ITツールに不慣れな作業員への対応

ITツールに不慣れな作業員への対応

遠隔臨場では、ウェアラブルカメラ(スマートグラス)と呼ばれる端末やWeb会議システムなどのソフトウェアを使用します。基本的には簡単な操作で使える製品がほとんどですが、ITツールに不慣れな作業員が多い場合は、導入後の活用がスムーズに進まない可能性も想定されます。そのため、事前にマニュアルやサポート体制を整備するなど、現場の作業員に負担がなく使える体制を整える必要があります。

機器やシステムのコスト

導入規模が大きい場合、遠隔臨場を行うために必要なウェアラブルカメラ(スマートグラス)やWeb会議システムなどのソフトウェアの導入コストが負担となる場合もあります。そのため、導入にあたっては費用対効果をしっかりと検証する必要があります。

通信環境の整備

遠隔臨場の仕組みはインターネット回線を用いるため、通信環境の影響を受けてしまうというデメリットがあります。トンネルの中や山間部などの通信環境の悪い場所では安定した品質で利用できない可能性もあります。事前に試行を行うなどして、使用環境や品質を確かめておくことが重要です。

まとめ

建設業界では人手不足や生産性向上が喫緊の課題となっており、そうした背景から建設現場におけるICTの活用が積極的に進められています。中でも遠隔臨場はそういった課題解決のための有力なソリューションとして注目されています。遠隔臨場のツールとして、ジャパンメディアシステムが提供するLiveOnWearableは、

  • スマートグラスの電源を入れるだけで使える簡易性
  • どんな環境でも安定して使える品質の高さ
  • 国産メーカーならではの充実のサポート

これらを強みに、多くのお客様にご導入いただいている製品です。現場の課題解決に役立つLiveOnWearableをぜひご検討ください。

著者情報 著者情報:ジャパンメディアシステム ジャパンメディアシステム

ジャパンメディアシステムは、企業のコミュニケーションを支えるビジュアルコミュニケーションシステム「LiveOn」を提供し、場所や時間に縛られない働き方の実現を目指しています。

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